本棚のすき間でつかまえて

本の感想をばかりを書いているブログです。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

トルストイ 「復活」 翻訳:木村浩

「復活」とは、web辞典を見てみると「死んだものが生き返ること。よみがえること。蘇生」「いったん廃止したものなどを再びもとの状態に戻すこと」他には「キリスト教で、十字架上で死んだイエス・キリストがよみがえったことをいい、キリスト教の最も中心的…

ポール・オースター「鍵のかかった部屋」 翻訳:柴田元幸

今作は1986年に出版されたオースターの初期の作品です。「ガラスの街」「幽霊たち」と今作を合わせたものがニューヨーク三部作と言われていて、登場人物こそ違うけどいずれも人を探す(ある意味、自分を探している)という部分で共通している。数年前に「ガラスの街…

エイモス・チュツオーラ「ブッシュ・オブ・ゴースト」 翻訳:橋本福夫

エイモス・チュツオーラ(1920-1997)はナイジェリアの作家であり、代表作「やり酒飲み」はアフリカ的マジックリアリズムとして世界各国で読まれている小説。今作「ブッシュ・オブ・ゴースト」は「やし酒飲み」の次に書かれた作品であり、アメリカのロックバンド「ト…

スティーヴ・エリクソン「アムニジアスコープ」 翻訳:柴田元幸

タイトル「アムニジアスコープ」、アムニジアとは記憶喪失とか健忘を意味し、スコープは視野とか範囲とか……、あと他には銃器の照準器という意味にも使われる。どの組み合わせが著者の意図したニュアンスに近いのかは解らないけれども、僕個人としては「過ぎ去っ…