本棚のすき間でつかまえて

本の感想をばかりを書いているブログです。

チェーホフ[桜の園] 翻訳:小野理子

生まれながらのサラブレッド・ラネーフスカヤ チェーホフのなかで一番好きな作品です。再読しました。 読み返すのは久しぶりでしたが、以前にはあまり目が向いていなかったことが見えてきた気がしました。我ながら驚きだったのですが……、桜の園の主人である…

マーク・ハッドン「真夜中に犬に起こった奇妙な事件」 翻訳:小尾芙佐

知的好奇心が…… 今作は全世界で1,000万部を超えるベストセラーとなっているらしく、イギリスでウィットブレッド賞、ガーディアン賞、コモンウェルス賞最優秀新人賞などを受賞し、日本では第51回産経児童出版文化賞の大賞を受賞しているようです。 児童文学………

ジョン・スタインベック「月は沈みぬ」 翻訳:龍口直太郎

これはノーベル賞作家(受賞は1962年)であるスタインベックが1942年に出版した作品です。ドイツに対するノルウェー市民の抵抗を描いた内容であり、このことにより1945年にノルウェー国王から勲章を授けられているようです。以下あらすじと感想。 簡単なあらす…

辻仁成「人は思い出にのみ嫉妬する」

これは恋愛小説です。恋愛ドラマに求めるものは人それぞれで違うものだと思いますが、僕の場合――、解らなければ解らないほど恋愛の感情にはふさわしいように思えます。不可解だからこそ、自分が何に突き動かされているのか解らないほどに、そこに潜む感情は…

サマセット・モーム「月と六ペンス」 翻訳:金原瑞人

常識とはなにか? はてなブログにしても何にしても、そこにはそこでの常識のようなものが出来上がるものだと思う。常識、暗黙の了解、空気を読む、エトセトラ――、それらは本当に正しいものかどうか? 一度、疑ってみる必要があるのかもしれない。はてなブロ…